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オりオノクリニック月報
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2024年8月

マイコプラズマ感染症(再び)について

今年はマイコプラズマ感染が大流行しています。
マイコプラズマ流行の大きな特徴は、オリンピック病、すなわち4年に1回の周期で感染流行が起きていました。ただ、2000年を境にしてこの流行がなくなりました。しかし、2012年に大流行し、ここから再び4年周期が始まっています。本来のオリンピックの年の2020年に広がる予定でしたが、コロナ禍において皆がマスクをしたり、感染対策を徹底したことによって流行しなかったという経緯があります。今年2024年はどうなるのかと思われていましたが、大流行となりました。なぜ?4年に1回流行するのか原因はわかりません。以前にも月報でマイコプラズマは取り上げましたが、今年は大流行なので再度取り上げました。

マイコプラズマについて
マイコプラズマ菌に感染すると2~3週間後に発症します。発熱・頭痛・倦怠感・鼻水・咳の風邪症状から始まります。次第に咳が激しくなり・発熱が持続します。咳がしつこく持続しますが、呼吸音は悪くならないのという特徴があります。5歳くらいからマイコプラズマに罹患することが多く、乳幼児はマイコプラズマに罹患しにくいのも特徴です。熱が下がってからも咳が長引くこともよくあります。飛沫感染です。

検査診断について
抗原検査:喉を綿棒で拭い、マイコプラズマの反応を調べます。陽性ならばマイコプラズマと診断できるのですが、喉の検査ではマイコプラズマが出てこないことはよくありますので、検出力は弱いです。検査結果陰性だからといっても信用できません。
抗体検査:血液を採取します。マイコプラズマに罹患している全ての人が陽性になりますが、発症後5日くらい経過しないと抗体検査は陽性になりません。

検査をしなくても、症状と診察からたぶんマイコプラズマだろうとは判断可能ですけど、検査をするケースが多いです。

治療
マイコプラズマは治療をしなくとも自然に治ることは普通のことです。しかし、治療をしたほうが早く治りますし、重症化することを防ぐことが可能です。
マクロライド系抗生剤(クラリス・ジスロマック・エリスロシン)
ニューキノロン系抗生剤(トスフロキサシン・シプロキサン)
テトラサイクリン系抗生剤(ミノマイシン・ビブラマイシン)
などが使われます。テトラサイクリン系抗生剤は8歳以上から内服可能です。









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