水イボは、伝染性軟属腫ウイルスが皮膚に感染することにより発症します。小児では皮膚の免疫機能が弱いのでウイルスが感染すると排除することができず、ウイルスが増殖して<いぼ>を形成します。普通、痛みや痒みは伴いませんが、ひっかいてしまうと内容物が飛び出して別の皮膚に付着し、新たに<いぼ>が広がってしまうことになります。そのために、ひとつできると、その付近や普段から触りやすい部分に次々とできてしまいます。水イボは 乾燥肌体質やアトピー性皮膚炎体質の子供に多い傾向があります。皮膚が乾燥したり、小さな傷が多数あるとウイルスが皮膚に侵入しやすいのです。
水イボの治療では、保険診療として使用できる軟膏が最近登場しました。その軟膏のことも含めて説明したいと思います。
水イボの治療
① 経過観察:半年から2年くらいで自然に治ります。自分の免疫機能がウイルスを排除するのです。(基本的に当院では経過観察です)
② 専用のピンセットで摘除:局所麻酔薬を使ってピンセットで摘み取ります。小さな子供は恐怖で暴れてしまうので体を抑えて処置することになります。虐待している感じで心が痛いです。水イボを摘まんだ時に、ウイルスが他の皮膚に飛んでしまい、そこから再びイボがでてくることがあります。10個以上摘除するとなるとたいへん時間がかかります。
③ 液体窒素で凍結する:凍らせて水イボの脱落を待ちます。
④ 漢方薬:ヨクイニンを長期間(数カ月)に渡って内服します。効果には疑問がありますが、一部の人に有効であるとの報告があります。(もともと自然治癒するのでなんとも言いにくいです)
⑤ ⅰ:銀イオンクリーム(M-BFクリーム):銀イオンが殺菌的に働いて水イボが縮小・脱落します。順調にいけば2か月くらいで治ります。このクリームは保険適応外で自費治療です。自宅で塗ることができます。
ⅱ:ワイキャンス:2025年9月から保険診療が可能になった水イボ治療クリームです。医療機関でおこなう治療です(自宅ではできません)。クリームを塗ったところには水ぶくれができてきます。赤くなったり、ヒリヒリしたり、ちくちく痛くなったりします。これはくすりの副作用ではなく効果なのです。医師や看護師は手袋・保護メガネを付けて水イボにクリームを塗ります。健康な皮膚に塗ってしまうと、そこに水ぶくれができてしまいます。目に入ってもいけません。塗ってから翌日に洗い流します。その間、塗ったところを舐めたりしてはいけません(粘膜に使用してはいけません)。この軟膏治療を3週間に1回のペースで行います。改善したら中止になります。8回くらい(24週)おこなっても効果がない時は違う治療に変更することになります。
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