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オりオノクリニック月報

≪ワクチンスケジュール作成に便利≫


赤ちゃんのワクチンスケジュール作成に便利ですよ。
お子さんの生年月日を入力すると、今後のワクチンスケジュールの推奨案を出してくれます。
疑問があれば相談してください。

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≪BCG≫


 BCG結核の予防接種です。結核は少なくなってきたとはいえ、日本では毎年約4万人が結核にかかっています。BCGは結核性髄膜炎(けっかくせいずいまくえん)や粟粒結核(ぞくりゅうけっかく)を予防します。 結核に対する免疫は母体からもらうことができないので、生後まもない赤ちゃんも結核にかかる危険があるのです。

結核性髄膜炎
 結核が血液を通して脳に侵入してしまう恐ろしい病気です。命にかかわる病気です。たとえ命は助かっても脳のダメージによる発達障害を残してしまいます。

粟粒結核
 血液にのって結核が全身にひろがります。特に肺ではレントゲン写真をとると1〜2mmの結核の粒状の影が多数認められます。

 堺市では、生後3か月の子どもを対象に個別通知でお知らせし、BCGワクチン接種を実施していますので、他の予防接種より優先して接種してください。 実施場所は各保健センターです(無料)。当日は朝の体温を確認し、母子健康手帳と(お持ちの方は)予防接種手帳を持参してください。

 なお、4歳未満で、まだBCGワクチンを接種していない子どもは、法定外接種(任意接種)となります。詳しいことは各保健センターへご相談ください。


Q:BCGの有効性は?効果はどのくらい続くのですか?

A: 80%以上の人に免疫がつきます。10年以上は効果が持続するとされています。家族やよく会う人に結核患者がでた時は診察やツベルクリン検査を受け、個別に対応する必要があります。


Q:BCGをしたらいつ頃免疫ができますか?

A: BCGをして1か月くらいで十分できています。


Q:BCGの副作用について教えてください。

A: 腋(わき)のリンパ節が腫れることがあります。BCG接種した1%未満の赤ちゃんにおこります。大半がBCGを接種した側ですが、時に反対側または両側におこることがあります。接種後4〜6週くらいにおこります。リンパ節が腫れていることを発見した後1〜2か月で消失します。基本的に無治療でかまいません。

接種部位の皮膚がジュクジュクしてしまう
  BCG接種後2週間頃になると針痕に一致した赤いポツポツが見えるようになり、やがて膿(うみ)をもった状態になり、全体的に腫れていきます。接種後1〜2か月でピークを迎えて3か月くらいで治ります。


Q:コッホ現象とは何ですか?

A: BCG接種する時にすでに結核感染をうけていたら、接種後2〜3日で接種部位が紅く腫れはじめることです。結核感染のための検査が必要になるので連絡してください。




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≪四種混合(DPT-IPV)ワクチン≫


平成24年から3種混合ワクチンにポリオワクチンが加わり、4種混合ワクチンとなり定期接種になりました。百日咳・ジフテリア・破傷風・ポリオの予防接種です。

接種スケジュール
4回接種するワクチンです。
生後3ヶ月から接種を開始をします。
1回目の接種後、3〜8週間の期間をあけて2回続けて接種します。
その後、1年〜1年半の間に、追加の接種をします。

Q:どんな病気なのですか?今の日本にどのくらいあるの?

A:
百日咳
 はじめは1〜2週は風邪と似ていますが、次第に咳が強くなってきます。免疫がなければ、まず感染してしまうでしょう。咳がコンコンと長く続き、その後<ヒーッ>と音を立てて息を吸い込みます。特に夜間に咳は激しくなります。咳をしすぎて顔が赤くなったり、むくんだりするほどきつい咳です。乳児では呼吸を止めてしまうことがあります。発熱はあまりありません。咳が治るのに3か月くらいかかります。

 WHOの発表では、世界の患者数は年間2000〜4000 万人で、死亡率は1〜2%、死亡数は約20〜40万人とされています。約90%は発展途上国の小児です。日本の発症は1993年3666人(死亡2人)、1998年2313人(死亡0人)、2003年1544人(死亡1人)です。

ジフテリア
 鼻・のどからジフテリア菌が侵入します。日本ではジフテリア患者の届け出数は,1945年には約8万6千人(その約10%が死亡)でしたが、最近10年間(1991〜2000年)では21人(死亡2人)と著しく減少しています。三種混合ワクチンは世界各国で実施されており、その普及とともに各国においてジフテリアの発生数は激減しています。

鼻ジフテリア
 血が混じった鼻水。

咽頭ジフテリア
 のどが腫れて痛い。扁桃腺に黄白の膜がつく。首のリンパ節が腫れる。

喉頭ジフテリア
 喉頭ジフテリアは咽頭ジフテリアから進行することが多く、声がかれる、犬吠性咳嗽(ケンケンとする咳)が特徴的です。呼吸困難が生じ、気道閉塞をきたし死に至ることがあります。

破傷風(はしょうふう)
 破傷風菌は土のなかに住んでおり傷口から侵入します。怪我をしてから2週間くらいしたら(その時は傷を受けたことも忘れています)口のまわり・顔の筋肉がこわばりはじめます。その後、口が開かない、首が回らない、全身の筋肉が硬くなったままの状態になり、息ができなくなり死亡します(死亡率50〜70%)。

 日本では破傷風は1950年には報告患者数1915 人、死亡者数1558 人であり、致命率が高い(81.4%)感染症でした。三種混合ワクチンの定期予防接種が開始された後、破傷風の患者・死亡者数は減少し、1991年以降の報告患者数は1年間に30〜50 人にとどまっていましたが、患者数は1999年には65人、2000 年には92人と増加傾向を示しており、依然として致命率が高い(20〜50%の死亡率)感染症です。

ポリオ
ポリオは別名(小児麻痺)とも呼ばれますが、小児に限った病気ではありません。
感染した人の便中に排泄されたポリオウイルスは、他の人の口から入り咽頭や腸で感染増殖することで人から人へ感染します。増殖したウイルスは血液や神経を介して脊髄の運動神経細胞を障害し、傷害された部分の麻痺をきたします。延髄の呼吸中枢の障害は呼吸麻痺をきたして死亡することがあります。

Q:うっかりして途中で四種混合を受けるのを忘れていました?どうしたらいいですか?

A: 四種混合は計4回ありますので、途中で忘れてしまうこともおこりがちです。

@ 初回と2回目が8週間以上あいた場合。
  • ただちに2回目を接種してください。以後はスケジュール通りです。

A 1回目、2回目は接種しました。3回目を忘れてました。
  • 2回目と3回目が8週間以上6か月未満の場合は、ただちに3回目を接種して、以後はスケジュール通り。
  • 2回目と3回目が6か月以上あいている場合は、ただちに3回目を接種します。以後はスケジュール通りです。

B 1回、2回、3回目はしました。4回目(追加)を忘れていました。

  • ただちに4回目を接種してください。

C 2回目を忘れていたので、すぐに2回目を接種しました。でもまた3回目も忘れてしまいました。
  • すぐに3回目を接種してください。1年〜1年6か月後に追加があります。


Q:四種混合の副反応について教えてください。

A: 副反応としては、局所の発赤、腫れ、疼痛、硬結、また発熱・不機嫌を認めることがありますが、いずれも一過性で2〜3日以内に消失します。ときに、接種後数日経過してからの局所の発赤、腫脹を認めることもあります。また、本剤はアルミニウムを含むワクチンですので、小さな硬結が1か月くらい残存することがあります。通常は2〜3日で消失しますが、冷湿布をおこなうこともあります。腕全体が腫れ上がるなど、副反応が強い時には次回からの接種には少し注意が必要です。注射したところをもむ必要はありません。お風呂にはいってもかまいません。


Q:以前に咳が続いていたので百日咳かもと医者からいわれました。この後どうしたらいいですか?

A: 百日咳にかかったかどうかはっきりしない場合は四種混合をするのに問題ありません。それによって悪いことが引き起こされることはないとされています。


Q:同じ腕に続けて接種してもいいですか?

A: 普通は交互に接種します。


Q:小学校6年生の時にする2期を忘れてしまいました。

A: 任意接種になりますが、接種したほうがいいです。


Q:私は大人です。子どものころに三種混合は受けていないと親から聞かされました。どうしたらいいですか?

A: 破傷風に対する免疫がない人は積極的に破傷風の予防接種をしてください。傷口から侵入したら大変ですよ!接種方法を説明しますので受診してください。




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≪麻疹・風疹混合ワクチン≫


 平成18年から麻疹・風疹混合ワクチンとして2回接種することになりました。
1回目は1歳以上2歳未満で、2回目は小学校就学前の1年間(小学校就学前の4月1日から3月31日まで)が公費負担(無料)になります。

 平成20年からは中学1年生が麻疹・風疹混合ワクチンを接種します。高校3年生が麻疹・風疹ワクチンを接種することとなりました。いずれも公費負担です。

*すでに2回接種しているお子さんの場合、中学1年生になった時は3回目を、高校3年生で4回目を接種するということではありません。


麻疹(ましん)
 はしかとも呼ばれます。病気の説明はクリニックHPの麻疹の説明を参照してください。

風疹(ふうしん)
 三日ばしかともいわれますが、はしかとはまったくの別物です。春先から初夏にかけて多く見られます。風疹ウイルスにより引き起こされ、潜伏期間は1〜2週間です。発熱とともに首のリンパ節が腫れてきます。同時に首から体中に細かくかゆみのある紅い発疹が出現します。熱はでない子もいます。3日くらいで治ります。5人に約1人はまったく症状がでません。血小板減少性紫斑病、脳炎など稀な合併症も報告されています(2000人から5000人に1人の割合)。風疹の最も嫌なところは妊娠初期の妊婦さんが感染してしまうと、胎児に難聴・先天心疾患・白内障・肝炎・発達障害などのいわゆる先天性風疹症候群を引き起こすことです。


Q:副作用について教えてください。

A: 現行のワクチンのなかでは発熱しやすいワクチンです。約20%に37.5度以上、数%に38度以上の発熱があります。発熱は1〜2日でおさまります。10〜20%に発疹が認められることがあります。接種後5〜14日後に出現します。発熱から熱性けいれん(熱のひきつけ)を起こすことがあります(200〜300人に1人)。


Q:近所で麻疹にかかっている人がいます。どうしたらよいでしょうか?

A: まず、麻疹ワクチンを接種しているかどうかを確認してください。もし、接種していないのなら、麻疹ウイルスに感染してから2日以内にワクチンを接種すれば予防可能です。しかし、いつ麻疹ウイルスをもらったかは誰にもわかりません。早めにワクチン接種するのが良いと思います。あとはガンマグロブリンを筋肉注射すると軽症化させることが可能です。


Q:予防接種したのに麻疹にかかることがありますがなぜですか?

A: 数年前、若者を中心に麻疹が流行し、大学等が閉鎖になった事件はまだ記憶に残っているのではないでしょうか。まず1回の予防接種では95〜98%の人に麻疹の免疫ができます。残りのわずかな人には免疫はできません。これが一つ目の理由です。

 二つ目の理由は、獲得した免疫が一生涯持続するためには麻疹ウイルスと接触する、すなわち麻疹ウイルスに感染することが必要なのです。もちろん麻疹ウイルスに感染しても麻疹を発症するわけではありません。免疫があるから発症せず無症状で元気ですよ。でもその時に免疫が強くなるのです。麻疹は最近少ない病気になってきました。よって麻疹ウイルスと接触する機会がなくなり、免疫が強くなる機会がなくなってきたため1回の予防接種では不十分になったのです。だから2回目の予防接種が導入されたのです。


Q:1回目の接種と2回目の接種では副作用に違いがありますか?

A: 全然違います。2回目の接種の場合は、すでに1回目の接種で免疫ができています(95〜98%の人はできています)。その免疫が副作用の出現を防いでくれるのです。2回目の接種の場合、副作用はほとんど出ないと考えられます。


Q:1歳になったらすぐに接種したほうがいいの?2歳前の方がいいの?

A: 調査した結果、差はありません。早く接種した方が早く免疫ができるので1歳になったら早めに接種してください。


Q:家族に妊娠している人がいます。子どもが風疹ワクチンを接種しても大丈夫ですか?

A: 大丈夫です。周囲の人に対して感染はおこしません。


Q:妊娠可能年齢の女性が接種をうける注意点を教えてください。 A:接種したあとの2ヶ月間の避妊が必要です。接種時点で妊娠している可能性があるのなら、次の月経を確認後に接種してください。




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≪日本脳炎ワクチン≫


日本脳炎ワクチンの接種方法が2010年9月から一部変更になりました。


まず日本脳炎という病気の説明です。

日本脳炎は蚊が媒介する日本脳炎ウイルスによって起こる感染症で、発症すると死亡率15%と恐い病気です。助かっても脳障害が45%〜70%に残ることが知られています。

日本では、発症した人は1966年の2017人をピークにして減少し、1992年以後は毎年10人以下になっています。しかしながら、東南アジア・南アジア一帯には流行地域があり年間3〜4万人が発症しています。

日本では患者数が少なくなっていますが、西日本を中心に日本脳炎ウイルスを増幅させる動物であるブタには日本脳炎ウイルスが証明されており、日本脳炎ウイルスが日本にも存在していることがわかっています。また海外に行くことで感染する危険もあります。そのことよりワクチンの必要性が認められています。


日本脳炎ワクチンの接種方法の説明

1期(2回)・1期追加(1回)・2期(1回)の3つがあります。計4回接種することになります。すべて新しい日本脳炎ワクチンで接種します。


1期: 3歳から7歳6か月未満に1回目を接種し、1〜4週間あけて2回目を接種します。

1期追加:1期の2回目を接種したあと、概ね1年後にもう一度接種します。


2期: 9歳以上13歳未満でもう1回接種します。


副反応について

新しい日本脳炎ワクチンは生後6か月から7歳6カ月未満の123人の小児に対して臨床試験が行われました。

発熱(18.7%)・咳(11.4%)・鼻水(9.8%)、注射部位が赤くなった(8.9%)。これらの副反応はほとんど接種3日後までに認められました。

*日本脳炎ワクチンを接種したら咳・鼻水??ってどういうことなのかしら?と僕は思うのですが・・・ 接種した小児がたまたま後日風邪にかかったのかもしれませんが・・・そのことについては詳細不明です。


よく質問をうける内容にお答えします。


Q:旧型日本脳炎のワクチンで途中まで接種しました。 一時中断状態になったので、再開された時には旧型日本脳炎ワクチンを接種した児は途中から新型日本脳炎ワクチンへ変更できませんといわれました。

A:旧型から新型への変更が認められました。


Q:旧型日本脳炎のワクチンを途中まで接種しました。 一時中断状態になったので、再開された時に7歳6カ月を超えていたので接種できないといわれました。

A:7才6カ月をこえている児に対しては、9歳から13歳未満の間に接種することが認められました。もちろん公費負担です。


Q:新型日本脳炎ワクチンで接種を始めたのですが、7歳6カ月までに1期の2回・1期追加が全て終了できませんでした。

A:9才から13歳未満の間で引き続きの接種が認められました。


Q:3最から7歳6カ月の間に日本脳炎ワクチン接種をまったく接種しませんでした。

A:9歳から13歳未満の間で始めてください。


Q:13歳を超えてしまいましたが、日本脳炎ワクチンの接種を終了できていません。

A:13歳を超えている場合は、現時点では定期接種としては認められていません。


Q:堺市ではどこの医療機関でも新しい日本脳炎ワクチンが接種可能なのですか?

A:可能です。


下記は過去記事です!

日本脳炎ワクチンの最新情報です(平成21年5月28日の現状)

新しい日本脳炎ワクチンが開発されました。平成21年6月2日より定期接種(公費負担)として認められ接種が可能となります。

日本脳炎は蚊が媒介する日本脳炎ウイルスによって起こる感染症で、発症すると死亡率15%と恐い病気です。助かっても脳障害が45%〜70%に残ることが知られています。

日本では、発症した人は1966年の2017人をピークにして減少し、1992年以後は毎年10人以下になっています。しかしながら、東南アジア・南アジア一帯には流行地域があり年間3〜4万人が発症しています。

日本では患者数が少なくなっていますが、西日本を中心に日本脳炎ウイルスを増幅させる動物であるブタには日本脳炎ウイルスが証明されており、日本脳炎ウイルスが日本にも存在していることがわかっています。また海外に行くことで感染する危険もあります。そのことよりワクチンの必要性が認められています。

1期(2回)・1期追加(1回)・2期(1回)の3つがあります。計4回接種することになります。

1期: 生後6か月から7歳6か月未満(標準的には3歳〜4歳)に1回目を接種し、1〜4週間あけて2回目を接種します。

2期: 9歳以上13歳未満でもう1回接種します。(2期は新しい日本脳炎ワクチンは使用できません)


副反応について

新しい日本脳炎ワクチンは生後6か月から7歳6カ月未満の123人の小児に対して臨床試験が行われました。

発熱(18.7%)・咳(11.4%)・鼻水(9.8%)、注射部位が赤くなった(8.9%)。これらの副反応はほとんど接種3日後までに認められました。

*日本脳炎ワクチンを接種したら咳・鼻水??ってどういうことなのかしら?と僕は思うのですが・・・ 接種した小児がたまたま後日風邪にかかったのかもしれませんが・・・そのことについては詳細不明です。
 現時点では重大な副反応(ショック・急性散在性脳脊髄炎・脳症・血小板減少性紫斑病など)は報告されていません。しかしながら、新しい日本脳炎ワクチンなので、たくさんの子供たちへの接種がはじまると、重大な副反応が出現する危険性はゼロではありません。


Q:新しい日本脳炎ワクチンは今までのワクチンとどこが違うのですか?

A:従来の日本脳炎ワクチンはマウス(はつかねずみ)の脳細胞を使用して作られました。新しいワクチンはアフリカミドリザル(猿)の腎臓細胞を使って作られています。アフリカミドリザルの腎臓細胞は狂犬病ワクチンや不活化ポリオワクチンに使用され実績のあるものです。


Q:なぜ2期では新しい日本脳炎ワクチンが使えないのですか?

A:1期では臨床試験が行われましたが、1期追加や2期では臨床試験が行われていません。よって、接種後のデータがないために、現時点では1期のみにかぎり新しい日本脳炎ワクチンを接種することになりました。将来的には使用できる可能性はあると思います。


Q:堺市ではどこの医療機関でも新しい日本脳炎ワクチンが接種可能なのですか?

A:新しい日本脳炎ワクチンが、オリオノクリニックでも接種ができるようになりました。しかし、現在のところ、新規の1期のみの対象者だけに接種可能で、1期追加接種や2期接種の対象者には接種できません。一方、旧ワクチンについては、いままで通り市立堺病院と大阪労災病院での接種になっております。

新しい日本脳炎ワクチンは現在本数も少なく、当院では予約を受け付けさせていただきワクチンが届きしだい御連絡させていただきます。申し訳ありませんが、お電話での予約は受け付けていませんので、一度受診をお願いいたします。


Q:現在の状況について教えてください。

A: 日本脳炎ワクチンが中止に近い状況になっています。それは日本脳炎ワクチン接種後に急性散在性脳脊髄膜炎という副作用が出たためです。新しいワクチンを開発中なので、積極的にワクチン接種をしないでください。と厚生労働省が決めました。

 新しいワクチンが出るというので、いったん中止に近い状況となったのです。しかし3年経ちましたが新しいワクチンの目処が立っていません。このままでは日本脳炎の患者がいくら少ないとはいえ、少しずつ発生する恐れがあります。現に2人の子どもがすでに罹患しています。

 ワクチン製造も落ちてしまいました。だれも接種しないのにワクチンを製造しても仕方がないからです。いまでは、どうしても日本脳炎ワクチンを接種したい人に対してもなかなか入手困難な状況になってしまいました。

※2006年5月厚生労働省健康局結核感染症課予防接種係より「定期の予防接種における日本脳炎ワクチン接種の積極的勧奨のさしひかえについて」という以下の文書が届きました。

1) 平成17年5月、日本脳炎ワクチンによる健康被害の重症のADEM(急性散在性脳脊髄膜炎)がマウス脳の製法による日本脳炎ワクチンと因果関係があると判断されたことにより、現時点では、より慎重を期するため、定期接種として現行の日本脳炎ワクチンの積極的勧奨を行わないように勧告する。

2) よりリスクの低い組織培養法によるワクチンが現在開発中であることから、供給できる体制ができたときに供給に応じ、接種勧奨を再開する予定。

3) 流行地へ渡航する場合、蚊に刺されやすい環境にある場合など、日本脳炎に感染するおそれが高く、本人またはその保護者が希望する場合は、効果及び副反応を説明し、明示の同意を得た上で、現行の日本脳炎ワクチンの接種を行うことは認められる。


 いつ再開されるか目処がたっていません。その間、日本脳炎ワクチンを控えていた子ども達はどうなるのか、はっきりとわかっていません。堺市は市内2つの病院のみが日本脳炎ワクチンを接種可能病院として(市立堺病院・大阪労災病院)、その他の病院では接種できないと決めてしまいました。もし自由に接種できるのなら当院でも接種できるようにしたいのですが・・・もし再開された時に接種を見合わせた子どもは公費負担にしませんよ、だってできるだけ接種しないでとはいったけど絶対接種しないでとはいいませんでしたよ、なんて厚労省が言ってきたら許せないです。また予算がないことにかこつけて、このまま日本脳炎ワクチンは中止しときましょうなんて思っていたら・・・今後の情報が乏しいのでどうなっていくのかわかりません。


Q:先生は現時点でも日本脳炎ワクチンをすすめますか?

A: ADEMという重篤な副作用がでたことは事実です。流行地に渡航するときや蚊にさされやすい環境にあるとき(近くに養豚場があるなど)は接種したほうが良いと思います。クリニックの速報を参照してください。





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≪おたふくかぜワクチン≫


Q:おたふくかぜって予防接種をするほどの病気ですか?

A: 一昔前は、近所のお子さんがおたふくかぜだから感染しといたほうがいいからわざわざ遊びに出かける話を聞いたことがあります。間違っていますよ!おたふくかぜは後遺症を残す病気として認識が変わっています。クリニック月報のおたふくかぜの説明をぜひ読んでください。任意接種になりますが、接種しておいた方が絶対いいですよ。


Q:おたふくかぜワクチンに髄膜炎の副作用があると聞きましたが・・・

A: おたふくかぜウイルスは髄膜炎を起こしやすく、自然に感染したら100人中2〜3人に髄膜炎をおこします。ワクチンでも髄膜炎発症の報告があり、10000人に1人と報告されています。もし髄膜炎をおこしても後遺症の心配はありません。全員完治しています。しかしながら入院することが多いのです。それは頭痛・吐き気が強くて自宅では看病しにくいからです。その他、おたふくかぜワクチンにより耳下腺腫脹が100人に2〜3人の割合で報告されています。


Q:おたふくかぜワクチンはいつ頃接種したらいいですか?

A: 1歳以上から接種は可能です。おたふくかぜの好発年齢は2〜5歳ですので、それ以前に接種することが適切です。また、精巣炎(睾丸炎)を合併する男性が思春期10歳以降に多くなるので、10歳までにはワクチン接種を受けることを勧めます。


Q:兄弟がおたふくかぜにかかりました。今から予防接種しても間に合いますか?

A: 無理でしょう。おたふくかぜでは兄弟が発病する前から病気をすでにうつしてしまっていますので、直ちにワクチンを受けても、病気を予防するのは難しいです。


Q:ワクチンを接種したらどのくらい有効ですか?

A: ワクチン接種をしたら90%の人に免疫ができるとわかっています。残り10%の人は残念ながらできません。




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≪水痘(みずぼうそう)ワクチン≫




水痘ワクチンが定期接種になります。

2014年10月から定期接種となります。概要は以下の通りです。

接種年齢は1歳から3歳未満で、3ヶ月以上あけて2回接種。

26年度(27年3月末)までは3歳から5歳未満まで1回は接種できます。
つまり10月までに2歳半くらいになる児は任意で1回しておくのがよいと思います。


おたふくかぜワクチンは今後は定期接種になるかもしれませんが、見通しはたっていません。

Q:水ぼうそうについて説明してください。

A: まずは、クリニックの月報を参考していただきたいのですが、ここには加えておきたいことがあります。それは先天性水痘症候群、赤ちゃんが水ぼうそうにかかった時、免疫が抑制されている時にみずぼうそうにかかった状態についてです。

先天性水痘症候群
 妊婦が妊娠初期に水ぼうそうに感染した場合、約5%に先天性水痘症候群(手足に奇形がある・皮膚瘢痕・小頭症など)がおこります。胎児の体の形成が水ぼうそうによって障害されるのです。

赤ちゃんの水ぼうそう
 もし妊婦が水ぼうそうの免疫がなかったら、当然のことながら赤ちゃんはお母さんから水ぼうそうの免疫をもらっていません。だから生まれてすぐにでも感染するのです。もし生後2か月未満で水ぼうそうにかかったら重症化し致死的になることがあるのです。

免疫が抑制されている時の水ぼうそう
 悪性腫瘍やステロイドホルモン療法中など免疫が低下している小児が水ぼうそうにかかると、水痘肺炎,脳炎などの合併を伴う致死的になることがあるのです。


Q:水ぼうそうワクチンの有効率はどの程度ですか?

A: 90%以上に免疫がつきます。ワクチン接種者で水ぼうそうの患者と接触した場合、発症率は11%です。このうち90%は軽症の水ぼうそうです。


Q:何歳から接種できますか?

A: 1歳以上から接種可能です。


Q:先天性水痘症候群や新生児の水ぼうそうを予防する方法は?
A:お母さんに水ぼうそうの免疫があれば大丈夫なのです。女性はもし水ぼうそうにかかったかどうかわからない場合はワクチンを受けておくことが必要です。ワクチン接種時点で妊娠している可能性がないこと、ワクチン接種後は2か月間の避妊が必要です。


Q:水ぼうそうにかかったかどうかわかりません。もし、水ぼうそうにかかったことがある人がワクチン接種するとどうなりますか?

A: 全然問題ありません。免疫が強まることが期待できます。


Q:家族の一人が水ぼうそうに感染しました。家族の感染率はどうでしょうか?

A: 水ぼうそうは空気感染していき、家族内なら水ぼうそうの免疫がないのならばまず感染するでしょう。家族がかかっていることに気がついたら2日以内に予防接種をすれば発症を抑えられるまたは軽症化させることが可能です。


Q:帯状疱疹の患者からでも水ぼうそうにかかることがありますか?

A: 帯状疱疹と水ぼうそうのウイルスは同じものです。感染する率は低いですが未感染の人は水ぼうそうに感染します。




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≪インフルエンザ菌ワクチン(ヒブワクチン)≫


クリニック速報でも取り上げています。参考にしてください。


Q:インフルエンザ菌について教えてください。

A: まず、最初にいっておきたいことは、毎年冬に流行するインフルエンザとは名前は似ていてもまったくの別物です。子供の中耳炎、気管支炎、肺炎、急性喉頭蓋炎(一日のうちに急速に悪化し呼吸困難、窒息、突然死を起こす)および髄膜炎の主因となる細菌で、特に1歳未満は重症化しやすいのです。ヒブワクチンは世界100カ国以上で使われており日本は先進国で唯一未承認でした。インフルエンザ菌による髄膜炎を発症する小児は国内で年間推計600人。うち5%が死亡、25%に脳性マヒ・発達障害が残ります。さらに近年抗生剤が効きにくいインフルエンザ菌の報告が増えており、今後後遺症の頻度が増加することが予測されています。

 この細菌による細菌性髄膜炎はワクチン接種で予防することができ、1998年にはその安全性、有効性からWHO(世界保健機関)が定期予防接種化を勧告しています。諸外国では、10年以上も前からインフルエンザ菌に対するワクチンを定期接種として接種し、深刻な病気は100分の1程度に激減しました。定期接種が行われている米国ではこの菌による細菌性髄膜炎は稀となっています。WHO(世界保健機関)でも乳児への定期接種を推奨する声明を出しています。日本で今回使用が認められたヒブワクチンは、フランスのサノフィ・パスツール社の「アクトヒブ」で、アメリカを含む世界各国で使用されています。  


Q:副作用について教えてください。

A: 他の薬物と同じようにワクチン接種にはアレルギー反応などを引き起こす可能性があります。しかし、アクトヒブは深刻な副作用は非常に少ないとされています。接種部位が、赤くなったり、熱をもったりあるいは腫れることがあります(4人に1人以下)。また38.3℃以上の発熱がみられることがあります(20人に1人以下)。これらの副作用は、接種後24時間以内に発生し、通常そのままで2〜3日後には改善します。

インフルエンザ菌b型ワクチン(ヒブワクチン)の接種スケジュール

生後2カ月から7カ月未満のお子さんの場合
通常、3回。4〜8週間の間隔で接種します。3回の接種後、1歳になったら早めにもう1回接種します。
計4回の接種です。

生後7カ月以上12カ月未満の場合
通常2回、4〜8週間の間隔で接種します。2回接種後、1歳になったら早めにもう1回接種します。
計3回の接種です。

1歳以上5歳未満
通常、1回のみ接種します。



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≪子宮頚がん(しきゅうけいがん)ワクチン≫


子宮頚がんは子宮の入り口にできる癌のことです。日本では毎年約7000人の女性が子宮頸がんと診断されており、約2500人が亡くなっています。女性のがんでは乳がんについで2番目に多いがんです。

子宮頚がんの大部分は、ヒトパピローマウイルスと呼ばれるウイルスに感染することが原因であることが解明されています。ヒトパピローマウイルスは性交を介して感染します。ヒトパピローマウイルスに対して免疫があれば感染しませんので子宮頚がんになる危険性が非常に少なくなります。

ヒトパピローマウイルスに対するワクチンが開発され、日本でも接種できるようになりました。10歳以上の女性に適応が認められており、副作用はないと報告されています。

子宮頚がんにならなくなることは素晴らしいことですが、ワクチンは自費負担で高価なものです。医療機関によっても異なりますが、1回接種に15000円以上はするでしょう。3回接種することが必要であり、最低でも45000円は負担することになります。しかしながら、本当に子宮頚がんになったら負担金額どころではないということは明白な事実です 。

子宮頚がんワクチン接種は初回接種・1ヶ月後・6ヶ月後の3回接種です。 肩の三角筋と呼ぶ筋肉に筋肉注射します。



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≪小児用肺炎球菌ワクチン(プレベナー)≫


肺炎球菌とは?

文字とおり肺炎の原因になる細菌です。それだけではなく、中耳炎、扁桃腺炎などの原因にもなりますが、一番怖いのは血液の中に混ざることで脳内に侵入する細菌性髄膜炎です。


細菌性髄膜炎とは?

脳に細菌が侵入すると発熱・嘔吐・頭痛などの症状が出てきます。もちろん入院治療が必要になります。しかしながら、治療しても死亡することがあり、助かっても脳に障害をのこすことが多いのです。さらに最近は、抗生物質が効きにくい菌(耐性菌)が増加しており治療が難しくなってきています。


以下の円グラフを見てください。細菌性髄膜炎の原因となる細菌について示しています。

小児細菌性髄膜炎の原因菌
(砂川ら)



ヒブ菌が半分以上で、肺炎球菌が2番目に多いのです。


肺炎球菌にかかりやすい年齢は?

以下の棒グラフを見てください。年齢が横軸です。全年齢を通して感染するのですが、子どもでは1歳前後にピークがあります。


生方公子: 日医雑誌138


日本では肺炎球菌ワクチンは接種できなかったのですか?

日本では成人用として肺炎球菌ワクチンが接種できます。このワクチンは乳幼児に免疫ができにくく不適切であることがわかっていました。小児用に新しく開発されたのが小児用肺炎球菌ワクチンです。プレベナーと呼びます。実は10年前から開発されており、ようやく日本の乳幼児も接種できるようになったのです。すでに100カ国近い諸外国で接種されており、38カ国では公費負担の定期接種になっています。安全性・有効性は世界からの成績が証明しています。


接種方法 : 
年齢によって接種スケジュールが異なります。


生後2カ月から7カ月未満 : 
初回3回(27日以上の間隔をあけて)
+追加1回(生後12〜15ヶ月のころ)


生後7カ月から12カ月未満 :
初回2回(27日以上の間隔をあけて)
+追加1回(60日以上間隔をあけた生後12ヶ月のころ)


1歳から2歳未満 :
2回接種(60日以上あけて)


2歳から9歳 : 
1回接種のみ




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≪ロタウイルスのワクチン≫



ロタ胃腸炎について
 ロタウイルス胃腸炎は、乳幼児に多く見られる疾患です。5歳までに、ほぼすべての乳幼児が感染し、小学校にはいるまでに2人に1 人がロタ胃腸炎で小児科を受診し、さらにロタ胃腸炎の15人に1人が入院すると推定されています。

 ロタウイルスにかかると2日くらいで、下痢・嘔吐(おうと)がはじまります。39度くらいの高熱や腹痛もしばしばあります。下 痢便の色は白っぽいクリー ム色、薄い黄色が特徴で、においは酸味臭(すっぱい感じのにおいです)となることが多いです。3〜6日くらい下痢・嘔吐が続きま す。鼻水や咳もでたりする ことが時々あります。

 ロタウイルス胃腸炎にかかっているお子さんの下痢便の中にはロタウイルスがいっぱいいます。それが周囲の人の口に入ることで感 染します。便が直接に口に はいかないかもしれませんが、例えば、ロタウイルス胃腸炎の子どもさんがトイレに行った後で手を洗わずにおもちゃで遊ぶと、その おもちゃにはロタウイルス がいっぱいついています。お友だちが同じおもちゃを触った手でお菓子を食べたら2日後には胃腸炎になってしまうというわけです。 オムツを替えたらお母さん の手にはロタウイルスがついており、よく手を洗わずに食事の用意をすると…どうなるかわかりますよね。

 ロタウイルスの場合は下痢がおさまって2〜3日後までは、周囲の人たちが感染する可能性があります。

Q:接種する対象は?

A: 当院で行っているロタワクチンは2回接種です。初回接種は生後6週から20週0日までの赤ちゃんが接種できますが、接種するなら生後14週6日までに接種してください。

Q:ワクチンの接種方法は?

A: ワクチンを内服します。注射ではありません。
4週間以上の間隔をあけて2回内服します。1回目の接種を生後20週までに済ませないと2回目の接種ができないことになります。 ロタウイルスワクチンは生ワクチンなので、接種後4週間は他のワクチンは接種できません。
ロタウイルスワクチンは生ワクチンなので、接種後4週間は他のワクチンは接種できません。

Q:ロタワクチンには2つありますが効果は同じですか?

A: 1価ロタワクチンと5価ロタワクチンがあります。効果は同等であることが証明されています。

Q: ロタワクチンを接種するとどの程度の効果ですか?

A: ロタワクチンを接種してもロタ胃腸炎にかかることはありますが。点滴・入院を必要とする乳幼児が90%減少する と調査されています。

Q: ロタワクチンの副作用は?

A: 初回のロタワクチンを接種して1週間以内は腸重積のリスクが増加することがわかってきています。腸重積は乳児期 後期に発生頻度が高くなりますので、初回接種は生後14週6日までにすることが大切です。 接種する際に説明いたします。

Q: ロタワクチンを接種後に吐いたのですが大丈夫ですか?

A: 口から多少こぼれても、赤ちゃんの飲み込みが確認できれば再接種の必要はありません。







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≪B型肝炎とB型肝炎ワクチンについて≫


B型肝炎ウイルスにより引き起こされる肝炎がB型肝炎です。B型肝炎ウイルスにかかっても無症状(不顕性感染・ふけんせいかんせん)で肝炎をおこさずに治ってしまう人・一生持続感染しキャリアになる人・急性肝炎になる人・慢性肝炎になる人は肝硬変から肝がんを発症するのが一般的な経過です。治癒しても悪性腫瘍などにより免疫状態が低下すると再活性化といって再び肝炎を引き起こしたりするのです。
 B型肝炎に感染をうけた後の経過について図にまとめました。感染は一過性感染と持続感染(キャリア)があります。小児期に感染するとキャリアになることが多く、1歳未満では90%、1〜4歳では25〜50%、5歳以上では1%以下と考えられています。


感染経路
血液を介する感染が主になります。B型肝炎ウイルスに感染しているヒトの血液にはB型肝炎ウイルスがいます。感染しているヒトの血液が自分の血液に混入することにより感染するのです。最も代表的なのは輸血による感染です。輸血による感染は予防されてはいますが100% 防げるものではありません。その他、珍しいことになりますが、子ども同士の喧嘩による出血・皮膚炎からの出血・蚊にかまれた後、掻きすぎての出血も感染源にはなりえるでしょう。成人では性交による感染が問題視されており性感染症とも捉えられています。
子どもが感染する場合の多くは、母親から赤ちゃんへの出産時におこる感染です。出産時は出血しますから。現在、母親が感染している時には、病院で必ず赤ちゃんにワクチン接種がなされており母子感染は激減しています。その他、家族内の人やよく接触する人からの感染がありえるでしょう。

B型肝炎ワクチン
4週間隔で2回、さらに20〜24週後に1回します。どの年齢からでもかまいません。家族・よく会う人がB型肝炎に感染している場合は是非予防接種をしてください。また、医療関係など血液・針を扱う仕事、お客のひげを剃ったりの理容師、介護関係に携わる人、とにかく他人の血液と接する機会があると思っている人は接種すべきでしょう。
 乳幼児に対しても、保育所での集団発生の事例が報告されていますので、接種しておいた方がよいと思っていますが、任意接種なので自己負担になります。みなさん是非接種しましょうとは声を大にしては言いにくい現状です。




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≪A型肝炎ワクチンについて≫


A型肝炎ウイルスを経口摂取することにより発病します。原因食品としてはカキ等の2枚貝が多く、特に国内感染の9割は、カキ・寿司を含む魚介類によるものと推定されています。稀に劇症肝炎を引き起こし、40歳以上では感染者の2%が死亡します。
A型肝炎ウイルスは全世界に分布しますが、特にアフリカ・アジア・中南米に高度流行地域が多くなっており、そちらに長期滞在される人は是非とも接種しておいてください。

接種スケジュール
適応年齢は1歳以上です。
2〜4週間隔で2回接種します。さらに、追加接種として24週を経過した後にもう1回接種します。
海外出張などで急ぐ場合には2週間隔で2回します。しかし、3回目の追加接種が望まれます。
2回接種をおこなった4週間後には免疫がついています。




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≪髄膜炎菌ワクチンについて≫


接種対象者は日本では主に髄膜炎菌感染症の流行地域への渡航者が想定されています。
2歳以上なら接種可能で1回筋肉注射します。
2015年5月から一般の医療機関で接種可能になりました。





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