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ちょっと豆知識
【粒子のサイズ】
  人の肺のすみずみにまでいきわたるためには、サイズが5μm以下でないとできません。
人の毛髪の直径が約50μm、杉花粉の直径は30μm、黄砂粒子は4μm、PM10は10μm、PM2.5は2.5μmです。当然PM2.5は鼻・気管・肺のすみずみまで侵入可能です。


【黄熱病の豆知識】
 阪大微生物研究所が、毎月ワクチンについての情報を提供してくれます。その2月号に黄熱病(おうねつびょう)についての情報がありました。

 黄熱病は黄熱ウイルスによっておこる病気で、ワクチン接種によって予防できます。日本にはない病気なのですが、熱帯アフリカ・中南米の風土病なので、サッカーワールドカップでブラジルに渡航される人は予防接種をしましょうとのニュースでした。

 黄熱病といえば、野口英世が原因究明中に自ら感染して命を落としてしまうことを、僕は小学生のころに偉人伝を読んで知りました。彼は、黄熱病の原因を発見することになったのですが、研究を進める内に感染してしまうエピソードを読んだ記憶があります。

 実は、野口英世が黄熱病の原因として発見した病原体は、ワイル病の病原体であるリケッチャでした。当時はウイルスというものは認識されておらず、病気は全て微生物で引き起こされるものであり(どうも微生物だけではないのでは?と思われ始めた時代)、顕微鏡で病原体を見ることができると考えられていました。ウイルスは電子顕微鏡という特殊な顕微鏡では見えますが、当時はそのような顕微鏡はもちろんありませんでした。野口英世は、ウイルスという概念がなかった時代に、細菌学的手法でウイルスに果敢に挑戦した偉大な研究者であると、医学を勉強する中で知りました。

 ちょっと思い出したので、豆知識に書いときました。余談ですが、渡辺淳一著の<遠き落日>に野口英世の人物像がよく描かれていると思います。


グレープフルーツの中には、ある種の薬との飲み合わせが悪い物質が含まれていることが分かっています。チトクロームP450 3A4という物質を、グレープフルーツにふくまれるフラノクマリンが阻害するために薬の分解が遅れるのです。降圧薬が効きすぎて血圧が下がりすぎ、体調をくずす危険性が報告されています。以下に代表的な薬を列記します。あてはまる薬を内服している人はグレープフルーツジュースをあまり飲まない方がいいでしょう。

バイミカード・ネオーラル・プログラフ・プレタール・シンバスタチン・リピトールなど


 寒くなって胃腸炎が流行しています。原因の多くはノロウイルスです。
ノロウイルス腸炎については月報で説明しているので参考にしてください。

さて、ノロウイルスにかかりにくい血液型があるのをご存じですか?
A型O型の人がかかりやすくて、B型の人がかかりにくいことがわかっています。
ノロウイルスが腸炎をおこす時には、血液型抗原を介するのですが、B型抗原にはくっつきにくいのです。すなわちノロウイルスが腸炎をおこせないことになります。

血液型は血液検査だけでなく唾液でもわかるのですが、唾液では血液型がわからない人がいます。唾液で血液型がわからない場合は非分泌型といいます。非分泌型の人もノロウイルスにかかりにくいのです。

B型かつ非分泌型の人はノロウイルスにかなりかかりにくいことになりますが、もちろん絶対かからないことではないので油断はしないでください。




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