【黄熱病の豆知識】
阪大微生物研究所が、毎月ワクチンについての情報を提供してくれます。その2月号に黄熱病(おうねつびょう)についての情報がありました。
黄熱病は黄熱ウイルスによっておこる病気で、ワクチン接種によって予防できます。日本にはない病気なのですが、熱帯アフリカ・中南米の風土病なので、サッカーワールドカップでブラジルに渡航される人は予防接種をしましょうとのニュースでした。
黄熱病といえば、野口英世が原因究明中に自ら感染して命を落としてしまうことを、僕は小学生のころに偉人伝を読んで知りました。彼は、黄熱病の原因を発見することになったのですが、研究を進める内に感染してしまうエピソードを読んだ記憶があります。
実は、野口英世が黄熱病の原因として発見した病原体は、ワイル病の病原体であるリケッチャでした。当時はウイルスというものは認識されておらず、病気は全て微生物で引き起こされるものであり(どうも微生物だけではないのでは?と思われ始めた時代)、顕微鏡で病原体を見ることができると考えられていました。ウイルスは電子顕微鏡という特殊な顕微鏡では見えますが、当時はそのような顕微鏡はもちろんありませんでした。野口英世は、ウイルスという概念がなかった時代に、細菌学的手法でウイルスに果敢に挑戦した偉大な研究者であると、医学を勉強する中で知りました。
ちょっと思い出したので、豆知識に書いときました。余談ですが、渡辺淳一著の<遠き落日>に野口英世の人物像がよく描かれていると思います。
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